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キレる老人

一ヶ月ほど前、

駅へ向かう途中のアーケード商店街を歩いていたら

通路の真ん中でこちらに向かって男の人が立っていた。

「なんだろうな・・」と、だんだんと近づいていくと

腕には「Google」の腕章と頭にはカメラ付きのヘルメットという出で立ち。

グーグルマップの人なのね・・と察しがついたのも束の間。

すぐ横にいたおっちゃんがすかさず

「君、こんな道の真ん中に立っとったらあかんやろ!」と

注意喚起を始めていたのを横目に通り過ぎて少し離れたあたりで、

おっちゃんの声が背後で叫び声に変わって響いていました。

きっと自分の忠告を無視されるような形で流され、

プライドが傷ついたのでしょうね。

今住んでいる地域は

都会のスマートな目からすると

一見シュール(奇抜な・えっ?って思うような)に見えるであろう

老若男女に遭遇することが多いのですが、

これこそが日本の社会の縮図を彷彿とさせるような、

人間のおかしさや哀しさ、切なさみたいなものを感じずにはおれません。

人生というものを考えさせられることが多々あります。

キレる老人の多くは60代以上の男性だそうです。

年齢とともに脳の前頭葉の萎縮が進み、

感情抑制のコントロールが難しくなってくることが分かっているようですが、

男性に多いというのも興味深いです。

前頭葉は理性や社会性を司るといわれていますが、

社会の荒波に揉まれ懸命に仕事をしてきた男性に多いというのも

なんとなく頷けるような気がします。

弱みに付け込まれぬよう、様々な武装で心と身を守りながら生きてきて

年を重ねてその鎧を脱ぐことをしないまま

どんどん固まっていくイメージは、

なんとも切なく、寂しさが募ります。

しなやかに生きられる男性というのは、

性からして希少なのかもしれませんね。

こんな風に思いを馳せると、

キレるおっちゃんに対しての見方も変わってくるというものです。

これは

我が家の老ぼれ夫婦にも必要なことで、

年を重ねるパートナーシップを考える上でも

ぜひとも外さないでおきたい視点です。


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